〜第4章〜
2人目出産(れい1才ぐらいから)
平成12年1月

  れい1才
◆嵐の正月◆
正月、と言えば帰省。
去年は出産で帰れなかったので、今年は福島に帰りました。それも、結構長い期間。
でもねー、丁度1才。いたずら盛りなのよ。
で、田舎の家は居間が狭くて そこにでーっかいお膳があるのね。
お膳に食べ物が並んだ日にゃ 一部屋全部「触っちゃいけないもの」だらけになっちゃうのよ。
どうしても「あれダメ」「これダメ」ってことになるじゃない。
さぁ、大変。子供はどんどんストレスが溜まってきます。
しかも私は家事の手伝いで手が放せないもんだから なかなかかまってあげられないでしょ。
もう、言う事は聞かなくなるは 寝なくなるはで大変なことになってました。
毎日昼寝と夜寝るときに 近くの公園に通いましたよー。(ブランコに乗ると寝るので、そーっと帰って布団に置く。)
ご飯も食べないし飲み物も飲まないもんだから すっかり便秘になっちゃうし。
せめて、男性陣がもう少し役に立ってくれれば・・(T_T) (ちなみに妹もデートでいなかった。)
おじいちゃんが正月に亡くなったもんだから、元旦から客の来る家なのよ。
その準備に女は台所で立ちっぱなしだと言うのに・・。
子供の面倒を見ていてくれるかと思いきや
「お〜い、台所行ったぞぉ」(「行ったぞ」じゃなく、ちゃんとそっちで見ててくれ(--#)
その上酔っぱらって管巻いて、あげくにその辺に転がって寝ちゃうんだもんな・・(^^;
記念すべき2000年の幕開け。それを私とお母さんは台所で聞きました。

◆涙の誕生日◆
3日には帰ると言っていたので、2日にれいの誕生日をしました。
私も楽しみにしてたんだけど、田舎の風習で
『誕生日までに歩いたら 一升餅を背負わして転ばせる!』
まぁ、普通の家だから餅をつくと言っても自動餅つき機なんだけどね。
それでも 餅米を升で一升量って焚いてもらいました。
つき上がったお餅の重いこと重いこと(^^; 2sもありました。
これを背負わされるれいの現体重10s。
周囲で喜ぶ大人をよそに、もうほとんど「たすけて〜」状態。
やぁ、(大人たちの)いい思い出になったよ。(ごめんね(^^;)

◆跡継ぎかぁ・・。◆
超音波カメラで見てもらう時、5ヶ月ぐらいから「男の子」だと言われてました。
前は産んだ後に性別言ってもらうの楽しみにしてたんだけど、今回はやっぱりねぇ。
だって、普通の家とはいえ 一応家持ちで、お父さんも長男だんなも長男でしょ。
家族から特に言われていたわけではないけど、一応だんなには「女の子だったらもう1人・・」と言われてました。
そして正月、お仲人さん(親戚なんだけど)の家にお呼ばれした時の一言。
「男の子なんだってねぇ。良かったねぇ跡継ぎができて」
一応思っていたこととは言え、やっぱり直接言葉で言われると「そうかぁ」と思っちゃうね。

↓箱とか籠とか大好き
◆ちょっと楽しみにしてること◆
子供を膝の上にだっこすると、
お腹が出てるから背中がペタってくっつかないんだよね。
お風呂の時とかにちょっと寂しいのです。
産まれたら膝の上にだっこするんだ☆

  2人目出産
◆我が家の大事件◆
だんなが3月いっぱいで仕事を辞めた。
次の就職先が決まったのは出産の翌日だった(^^;。
辞めること自体に反対はしてなかったんだけど、求職活動があまりにも呑気なので
どーなるんだかちょっと不安だった。
このご時世、プーにならなかったのは奇跡に近いよ(--;。

◆恐怖の旅◆
3月16日、とある試験を受けに都内に行きました。
実家までタクシーで行って子供を預かってもらい、そこから電車で30分。
その週の検診で「まだまだだね」と言われていたんだけど、2人目だから子宮口が少し開いてたのね。
なのでちょっとドキドキでした。
数えてみたら 出産までちょうど2週間!
良いコは真似しないでね★

◆始まらない(T_T)◆
その次の週の検診の時、大分子宮口が下がってると言われ、次の日にはニセ陣痛が始まったので、
「これはいよいよか?!」と思い、準備を始めました。退院後には実家から母が来てくれることになってたし。
まず家の中を片づけて、台所を片づけて、冷蔵庫の中のものを整理して・・・
気が付いたら食べるものがナイ!しかも雨で買い物に行けない!陣痛は一向に始まらない!
結局このニセ陣痛に1週間も苦しめられました。
じわじわ痛いのもさることながら、いつになったら始まるのか分からないというイライラに加え
前にも話したようにだんなの就職先が決まらないでしょ。しかも残務に忙しくて連日徹夜であてにできないし。
だんだん自分でも頭がおかしくなってくのが分かりました。 ※妊娠中の中でも、出産直前の精神状態が一番ヤバイ(^^;
しまいには夜中に河原を徘徊してたもんな(^^;
みんな、出産間近の妊婦には気をつけようね★

◆2人目は楽って言うけれど・・◆
気分的には1人目の方が全然楽だと思う。
私の場合、1人目は午後3時に病院に入り、「今日中に産まれるかなぁ?」って言われた9時だったけど、
2人目は前の日の夜中から入院して「(陣痛が)始まったらすぐだからね」と言われた7時。
大体の人が、1人目の時は産んだ直後からテンションが上がり、めちゃめちゃ元気になってしまうんだけど、
2人目の時はそれがなくて疲れきったままだし 後陣痛もあるからね。
しかも今回は、陣痛がなかなか進まなかった。
やっと強い痛みが始まったのは、もういいやって諦めて 長期戦で行く覚悟を決めたその夜。
(陣痛なんて得てしてそんなもんと助産婦さんには言われた(^^;)
「やれやれ、やっときたか」と思ったら、何か変。陣痛間隔が5分しか開いてない。
何度か計ったら15分くらい来ないこともあるけど だいたい5分。
でも、5分間隔の時の痛みってこんなもんじゃないんだよね。
一応相談をと思って病院に電話したら、「経産(2人目以降)だから一応来てみて」と言われ
だんなに帰ってきてもらい、母親に寝ている子供を頼んで とりあえず入院準備をして病院に行きました。
そして診断の結果 子宮口開口4センチだったのでそのまま入院。 (だんなは翌日早朝から出張だったので帰って行った。)
夜の間、ほとんど陣痛が進まず、夜中にあんまりお腹が空いたので、助産婦さんに言ったら夜食をくれた。
トーストだったんだけど、ちゃんと温かくしてくれた。おいしかった。(T−T))
結局朝になってしまい、(うとうとして陣痛が止まったりしながら(^^;)
やっと10分間隔で定期的な痛みが始まったのが午後1時半。――長かった(T・T)

◆逃げ腰モード◆
今回ははっきり言ってそうだった(^^;。
とにかく、さっさと終わってくれないかなと そればっか考えてたし。
ただ、上の子の時も今回も トラブって「早く産まれてくれ」って思ってたので、
出産そのものに対する恐怖って 落ち着いて出産を迎えた人よりは少なかったかもね。
で、経産の場合は、子宮口が7〜8センチ開いたらもう分娩室に行くって聞いてたのに、
結局「さぁ、行こうか」って言われたの、子宮口が全開になってからだった(^^;
なもんだから、分娩室に入って産まれてくるまで12分。
ただ、急いでたのかなんだったのか かなり無理矢理「引きずり出した」感じもしたけど。
助産婦さんお腹に体重かけて押してたりね(^^;。
結局私、会陰切開3個所もやられてしまった(×_×)。

◆やっとかぁ・・◆
結果的には2回いきんだだけだったんだけど、
やっぱり(上の子との)300gの差はでかかった。
いきんだ時に、まじで「きつい」と思ってしまった。
だけども、大きい分元気だったのか、産まれてすぐに大暴れして
助産婦さんがへその緒を切るのに苦労してた。
無事に産まれてほっとしたのも束の間、
今回は速攻で聞きましたとも。「どっちですか?」
男の子と聞いて「ああ、もう産まなくてすむー」と思った。いや、正直な話(^^;。

◆満身創痍のミイラ◆
終わったら終わったで、先生は長ーいこと縫ってるし、そのうちに噂のアレがやってきた。
そう。経産の方がきついという「後陣痛(子宮の収縮痛)」。
まじで痛かった。もう、本当にのたうち回りたいくらい。会陰切開の傷より全然痛かった(^^;
本当は、病室に帰って食事をしてからもらうことになっていた痛み止めも、我慢できずにもらってしまった。
この上お腹にアイスノン(出血止め)でも乗せられたら、まじでショック死しちゃうよ。
いやぁ、出血が少なくて良かった。
しかも産後って、様態を見るために2時間分娩台の上で待機しなきゃいけないんだけど、
硬い台の上でじっとしてるのって 結構苦痛だよね。
親が来てくれたけど、まじで声も出ないぐらいダメージ食らってました。だんなは、かろうじて間に合って子供に会えた。
やっと待機時間が終わって、病室に戻るために車椅子に移動。
この時、起きあがるから初めて分かるんだけど、腹筋が全然使い物にならなくなってるのね。
お腹の空っぽ感なんかも、子供を産まなきゃ分からない面白い感覚だと思うけど、
そういえば上の子の時は「お腹を抜かれたミイラ」を連想したなぁ、と間抜けなことを思い出してしまった。

◆回復回復 (−w−; 
病室に帰って、食事をもらう。とにかく必死で食べた。
気分的には全然食べたい雰囲気じゃなかったんだけど、とにかくお腹を騙し騙し必死で食べた。
そのお陰で、1時間ぐらいしたらようやくちょっと元気になってお腹が空いてきて、夜食もぺろっと平らげてしまった。
その日はなんにもせずに 不眠症の薬をもらって寝た。
やっぱりそれがあると、二日目以降は1人目の時より楽。(それでも疲れはなかなか抜けないけど。)
1人目の時は二日目の夜に金縛りにあったもんな(^^;

◆たまには役立つ(?)話◆
ここでちょっと閑話休題。陣痛とのつきあい方について。
初めての時って、最初からかなり痛いと感じるものだと思うけど、
落ち着いて深呼吸してれば そのうち慣れてくるよ。
で、だいたい陣痛が5分〜3分間隔ぐらいで もう少し強い痛みに変わってくるんだけど、
今回も私、実はこのあたりでちょっと動揺してしまった。「いやぁ、まいったなぁ。どうしよう。」
呼吸法も忘れちゃってたし。
で、再度教わった呼吸法が 強く長く息を吐くというもの。
これって、よく言われてるように小刻みに息を吐くより タイミングが合わせやすくていいかも。
要は「ああ、これでなんとかなりそうだな」っていう気持ちが大事なんだね。
で、陣痛間隔が3分を切る頃辺りから ピークの痛みが来ます。ここからが正念場。(これ以上の痛みは来ないからね。)
私は体を震わせないと耐えられなかった(^^;
ただ、お腹が張ってる間全部が痛い訳じゃないから、だいたい1〜2分続く陣痛の真ん中辺で
「ここがピーク。後は痛みが引くだけ」って思うと
忍耐力が半分で済むと言うことを覚えておいた方がいいかも。
あと、深呼吸のタイミングがずれると頭がパニックになるけど、
こうなっちゃったらもう「大丈夫 大丈夫」と自分に言い聞かせるしかないね。
初めての時って 心細いから付き添いが欲しいけど、「同情モード」の人ならかえってやり辛いよ。
(私も今回母親を追い返してしまった(^^;)気持ちがくじけちゃうのが一番危ないと思うし。
だから、事務的に声をかけてもらうのが一番楽。
「はい、力を抜いてー。はい、深呼吸ー。飲み物は?」みたいな感じで。
えっと、あとは陣痛についてじゃないけど、一応。これ↓は女の子以外見ない方がいいと思う。
文字をドラッグして反転させてね。
「会陰切開の傷がしみるから、恐くてトイレに行けないよぅ」って時に。
要は小陰唇のビラビラを、つまんで下に引っぱり出せばオッケーよ。
こうすれば飛び散らないでしょ?

◆お姉ちゃんなんだ◆
れいは実家と姉の家で交互に預かってくれてました。
全然手が掛からないですごくいい子にしてたみたいなんだけど、
3日目にみんなでお見舞いに来てくれた時、私の顔を見るなり泣き出した!
足りなかったものに気が付いたっていう感じで、なんだか見ていてすごく可哀想になってしまいました。
我慢してたんだなぁ。小さいなりに。
お見舞いから帰るときも、私が残って自分はだっこされて帰っていくのがすごく辛かったみたい。
その後は大変だったそうで、おばあちゃん(私の母)の後をくっついて離れず、
ちょっとトイレに行くといなくなっただけで泣き出してたそうです。
「置いていかれる」恐怖を覚えちゃったんだね。
でも、退院するときに一緒に車に乗り込んだら「あ、(一緒に帰れるんだ)」と言って安心したみたい。
その後数日で 一応落ち着きました。

◆天国も地獄も◆
この病院の楽しい所は食事。みんなで食堂に集まって食べる。いつもだいたい10人ぐらいはいて、
出産の大変だった所とか子育てなんかについてわいわい話しながら食べるんだけど、
入院した2日後と3日後に、「ちょー難産のお母さん」と「ちょー安産のお母さん」が入ってきたのね。
その2人の会話がめちゃめちゃ面白かった。
難産母さん:「私、1人目の時も 先生や助産婦さん総出で30時間以上かかって、
       分娩室で意識なくなって臨死体験しちゃった。
       宙に浮いてたから、『ああ、私 こんな格好で死ぬんだわ』と思って
       一人一人に『お世話になりました』って挨拶してたら、T先生にほっぺたたかれて気が付いたのー。」
ひぇ〜・・。すさまじい。
安産母さん:「私、1人目の時が病院に来てから3時間で、2人目が1時間で 今回2時間。
       直前まで自転車乗ってたよー。」
この安産母さん、すごい「肝っ玉母ちゃん」って感じでたくましいので 30代半ばくらいかと思ったら
私と同い年だった(^^; (そして、奇遇なことにご近所さんだった。)

◆頭が重いの。◆
先生の話題でも結構盛り上がる。
「もうすぐ分娩室って時にN先生が来てね、『ボクはハゲてるけどハゲますことはできないよ』だって(笑)。」
今回子供を取りあげてくれたそのN先生が、疲れがピークの3日目に回診にやってきた時のこと。
その前に回診の看護婦さんに「頭が痛い」って言ってあったんだけど、
どんな風に痛いか聞かれて「思い感じ」って言ってあったのね。
で、看護婦さん曰く「頭が重いそうです。」
先生「え?が重いの?」
部屋は大部屋。母乳マッサージに来てくれた看護婦さん2人。回診の看護婦さん1人。
その中で私は大爆笑し、しかも笑いが止まらなくなってしまった。
だって先生、そう言われたら頭自体が重いみたいじゃん。
笑い死にするとこだよ。疲れは一気に吹っ飛んだけど。
その先生は、いつもヘラヘラ笑ってるけど その笑顔が安心できるって結構人気があるんだそうな。
妊娠中の検診の時もその先生に看てもらってたんだけど、超音波の映像を長ーい時間丹念に見る。
顔を見て内蔵を見る。「これが心臓。元気に動いてるね。」ここまではどの先生も同じ。ここからが大変。
腕と足を2本ずつ確認した後、それぞれの指を5本確認する。
プリントした写真だっていっぱいくれる。
待ち時間だって結構あるのにと思うとかったるいん気もするんだけどね。

◆名前◆
今回は退院まで決まらなかった(^^; 前々から考えていたにも関わらず。
この子って一応 田舎の家に帰ってほしい「長男」で「跡取り」なのね。
でも、弟なのに「長男」って、私ちょっと抵抗あって。わがままだと思うけど。
そんなわけで、「一」とか「太」とか付く名前には反対でした。
それでみんなに考えて案を出してもらったりして、それでも決まらなくて命名辞典をめくって決めました。
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